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言葉

2013年02月16日 08:49

   言葉

たとえば

お久しゅう存じます・・・とか

暫らくでございました・・・とか

お目にかかりとうございます・・・とか

誰もが口にし 便りに書く

見逃してしまう言葉の陰で

想いはひっそり実っているのです

 何気ないあいさつの

 一行の重さを

 あなた 知っていますか

 

つれづれ想(詩にそっぽを向く)

2013年02月15日 09:49

  詩にそっぽを向く 

会いたい人に会わずにいる 話す言葉はないと俯く 

親切にされるほど後ろ向きになり 誘われるほど拒否したくなる 

大切なものなど今はない 待ち焦がれたのに春も嫌い 

春に抱かれたくない 厳しければ背き 暖かければ逃げる 

天邪鬼は私を牛耳る あれも駄目 これも駄目 あれも嫌 これも嫌 

詩なんて書きたくない  春よ静かに眠れ

「つれづれ想」 詩に恋してる

2013年02月10日 20:43

  「詩に恋してる」

若い恋はできない 自然や花や樹木に そして詩に恋をする。

心晴れやかに 心躍らせて 誰にも恥じなく堂々と 詩に恋をする。 

この幸せ 捧げ持ちひれ伏す 握手や ハグもはばからず、 

心の中の最高の表現として抱きしめる。 涙を拭う 

羽ばたき飛躍し 燃え 燃え盛る 誰にも知られぬ埋もれ火である。

小さくても消えない 内なる灯火よ

持ち続ける喜びと活力 生きる華として隠し持つ幸せ

詩集読書三昧 詩作三昧の 老いの時間

 

つれづれ想(記事的詩)

2013年02月10日 09:08

  記事的詩

詩を書くということは経験し確かめたことでないと書けない

記事や人からの話だけでは 詩を書く状態ではないと思う。

自分で確かめ自分で消化し 自分のものにしてから 詩は誕生するものだ

あまりにも記事めいたもの 空々しいもの 実が込められていないから

詩の形をした抜け殻 もどき詩だ 自分の言葉で自分の心を通して書かれてこそ

詩といえるのではないだろうか あまりにも記事的な詩が氾濫している

つれづれ想(人生をおぼろにするな)

2013年02月08日 18:44

静かな流れが幅広く私を隔てているので、我武者羅に目をくすげて凝視め

その被膜を取り除こうとする。老人性黄斑が 詩をおぼろにする

飛躍や比喩や暗喩にとうせんぼされて跳び越える事ができない。

余病的疾患が心のうちに発症する。

上辺だけの纏め切れない主題のない 詩のない文字が並び始める。

味のない綴り方になる。ミューズよ私を無視して通り過ぎるな。

人生をいびつに やぼろにするな。

早春

2013年02月05日 10:49

    早春

 舞い降りてくるやさしさを

 陽だまりの中で掌にそっと受けてみつめていたいから

 足早にゆく人を呼び止めはしない

 メダカのその瞳が好き

 名もない草花の小さい花びらが好き

 樹々の芽出しを包むわずかな風が好き

 弱いもののありったけのやさしさが好き

 小さいものたちがたくさんいて

 小さい誇りをそっと秘めて

 小さい満足をみんなつなげている

 小さい祈りの透明な輪よ

 寒さの中の小さい陽だまりを掌にそっとのせている

会話

2013年02月01日 12:46

  

   「 会話 」

 

 お母さん

 自殺するって罪なこと?

 そうよ弱い人が考えること

 贅沢な人が思うことよ

 生きたくても生きられない

 逃げられない災難に合って死んだ人のこと

 考えたことあるの?

 

 死ということを視つめた青春の日

 ただ それだけでとめどなく流れた涙

 生きるということ

 愛するということ

 それが一足飛びに死の世界まで飛躍して

 自殺と熟れない果実を落とすような

 今思えば甘くたよりない悲壮感

 どこまでの気持ちで口に出したのか娘の

 そんな言葉にうろたえて

 

 親より先に死ぬなんて絶対罪ですよ

 まして自殺など と私は叫んでいた

  外はしんしんと雪が降っていたあの時

 

    (第一詩集 赤い花一輪咲きますよう)より

 

つれづれに(認知症)

2013年01月31日 18:36

遠方の友に会いに行った 約束していたのにすっぽかされた

忘れっぽくなってすこし認知症が入ったようだ

クラスメートであれば責めることも 慰めようもなく

元気印の筆まめ 達筆の友が大切なことから忘れていく

悲しいこと 切ないことだろう

忘れていくことは 悩みも忘れ 悩みから解放され・・・。

以前 このまま老いてゆくのかと寂しげに 呟いていたっけ

それからのことだ

つれづれに想う

2013年01月29日 09:57

いま会わなければ もう会えないかもしれないと 

いつも思っているから

明日ね 明日ねという約束は 堅い約束にはならない

明日までの時間が どんなに長くどんなに遠いか

誰も知らん顔しているから 明日なんて

拗ねて いつまでも明日でしかない永遠の距離

二人の間に横たわる明日は 現在(いま)からずいぶん遠い

わが友 百歳万歳

2013年01月24日 10:23

  わが友 百歳 ばんざい

4、5日前降った雪がまだ日陰に残っている。 雪が降ると外出禁止令が息子たちから出て

御身大切とばかり 頭の働きすら止めて 炬燵に潜り込んでいる

せめて年長の友が元気でおいでかと 手紙を書く 花の好きな人に花の絵を描いて出す

何の返事もなくても 彼女の笑顔が目に浮かんで 寄り添ってくる

励みを貰い 安堵を貰い 生きてゆく活力を貰う 春を待ちながら首をもたげる。

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