詩 ししおどし(詩集つれづれ想より)

2013年11月25日 14:09

   ししおどし

注いで満ちて

唐突にかたんと

快い音を立てて零れる

 

こぼれるのかそそぐのか

からっぽになって

新しい思いを受け入れる

 

満ちて満ちて

刻が熟して

ことりっと何かが生まれてくる

 

静寂の中に

知らず満ちて

重くなって吐き出される

 

すがすがと放った思いは

刻を流れるが

やがて大きく放物線を描いて跳ね上がる

 

からっぽは

最大の充実かもしれない

 

(以前故大井先生が褒めてくれた作品です)