詩  (花びら舞い落ちる)

2013年06月04日 09:45

   花びら舞い落ちる

さあ 前進

掛け声の中に私がいる

背を押され

その手の内側に私がいる

 

めらめらと燃え

ほとほとと埋め火の

いのちの火よ 詩の火よ

証の 小さい炎よ

 

肌寒さと一緒に抱いて

春の中に私がいる

私の中に私がいる

街も季節も知らん顔して

通り過ぎる

 

ほとほとと燃えるものに

若やいだ季節に 青葉震わせ

梢から 肩に留まる 小鳥の声

スキップできなくなった私が

 

焦れた足を進めると杖の上に

一枚の花びら

舞い落ちる