詩 (旅)

2013年06月26日 19:46

   旅 (春に)

人生の旅を日々頼りなく過ぎて 刻をしっかり捉えることは至難の業

生きているよーと 叫んでも誰が受けてくれるか

沢山の旅をし 沢山の人 沢山の街 沢山の時間を

潜り抜けてきたが何を取り込みどんな成長をしたか

80ねん生きて 霞んでしまった過去や

蹴散らしてしまった昨日今日が擦り寄ってくる

それらを掬い上げる竿も網も持たず 流れに任せてしまう

近くに大滝が構えていて ナイアガラの様に

飛沫く中に 赤い服を着た私が落ちていく

沈むか浮き上がるか 夢想を天からみている

 

まだ滝からの旅があるように思えて

100才を迎えた友の かくしゃくとした足取りを私に繋げてみる

生きるという喜びと 生きたという満足と 活力を体中にまぶしてみる

植物人間 惚けを蹴散らせ 自分の足で歩き 季節を感じ

一人の楽しみを持ち 一人遊びができ 活力ある日々を

充実した時間を 四季を大事にして ほのかな温かみを感じ

反応して生きたい いつも旅立ちの支度をして 欲張りの生を活きている

窓外は春の気配 雑草のはびこりを見る