詩(若さの残酷)

2014年01月30日 10:05

   若さの残酷

説教めいたことを言わず そうねぇと

相槌を打って肩を並べてやればよかった

年寄りは我慢しなきゃね 若い人に嫌われるよ

なんて言わなきゃよかった

今になって解ることが沢山あるから

違っていたっていいじゃないか そうだねって言って

意地張ることもなかった

黙ってそうかい・・って 返事した老母に

 

この年齢になってやっと解った

いいんだよそれで・・と背を撫でてやればよかったのに

正義ぶってこうあるべきだなんて

柔らかいものをそぎ棄てるように訂正したが

堅いこということはなかった 反対することはなかった

受け止め受け入れるほうか゜思いやりだったのに

ごめんよ 優しくできなかった若いころ

 

あれでも優しくしたなんて

その頃は思っていたんだよ

若さの正義か無知 確かに優しさで包んだ残酷さだったね

いま「母」だとか 「望郷」だとか書き始めると

母さんの年齢に近づいて来て深いね

 

今朝くしゃみが四つ立て続けに出たよ

四つ夜風邪かなと思ったが四つ喜び良いこと

なんて勝手に いい方に解釈して

年寄りの依怙地な自由 幸せなんだね

現在をそっと抱いてみる