詩(目を閉じると)「赤い花一輪咲きますよう」より

2013年07月17日 19:20

   目を閉じると

目を閉じると 夕日に染まった雲海が広がる

山の独り言が沈黙と連れ立って 霧になってせまり

祈りの言葉が読経の様に湧き上がる

 

目を閉じると 青海原があり

病んだ魚の物語りと貝の溜息が潮騒になる

 

目を閉じると 死にかけた川や

死にかけた樹木の絶叫がこだまし合い

 

目を閉じると 太陽が熟れ過ぎて重たげに

私の内部に沈む