詩(人という文字詩集 風を抱くより)

2013年07月31日 19:15

   人という文字

人という文字をじっと見ていると

今日は後姿の人に見えてくる

ひょうひょうと立ち去る姿をみせている

いつもは正面きって私と真向かっている

文字なのに

いつもの胸張った威厳のある

あの姿は毛ほどにも見えない

 

人という文字は時には真向い

時には頑なに後ろ姿しか見せない

話しかけて笑ったりうなずいたりして

いつも真向かっていたい

傾き支え支えられて寄り添っていたい

 

人という文字が遠のいて行く

荒野の素浪人の様に

ひょうひょうと

 

地平線がはっきり浮き上がって見えてくる