詩(ことばについて)「赤い花一輪咲きますよう」 より

2013年07月13日 10:12

   ことばについて

干からびてどれだけの思いを含んでいるというのだろう

青臭くてどれだけの滴りがあるというのだろう

掌の中でいつも変身を繰り返すおまえ

おまえを追い越してなお溢れるもの

この想いを いつも鼻うたまじりで追い越させるおまえ

遠のくと関心をしめし

よりそうとプイっとどこかへ行ってしまう

入れまいとすると窓もないのに入り込み

含み笑いを見せ

捉えようとすると追いつめたところで

するりと跡形もない

膨らんでしまった期待

おまえに向かって伸びきってしまった腕の

戻しようがなくて

胸と言わず胎と言わず

ブスブス突き刺さっている おまえ