つれづれ想「啼く」

2013年02月20日 08:48

   啼く

頂いた詩集を開くと 上手い詩に圧倒され押しつぶされる

理解できる詩に会うと静かな気持ちで納得し 

受け入れ良い点などを掬い上げる

そして私の詩は?とおもむろにページを開く。

春は私のつまずくところ 躓いて考えるところ 

春はまた浮かれ飛び出すところ 蛙やバッタと競うところ

夏は何かを 呼びきれないばかりに啼き切って 

追いかけ別れ 去っていくところ

袋手をして冷めた部分を温める 夏にも感じるこの冷たさを託つ

やっと地上に出た蝉のように 思いっきり声張り上げて鳴く

届けよと届かぬ思いを啼き続ける。