つれづれ想(梢から天へ)

2013年04月22日 18:56

   梢から天へ

喜びは梢の先を揺らすそよ風に似て 樹幹を揺らすほどの驚愕はない。

それ故に常に目覚めている。

梢は空や風や雨やすべてを受け入れ揺れる覚悟を持つ。

梢はそうっと樹根に伝えねばならない。 

水を吸い命を吸い 若葉を光らせるために どっしりと構え 

大風の揺らぎや受け止めきれない振動にも踏ん張って耐え。

人の胎にもどっしりと根を張って、哀しみ悼みにも倒れぬ。

だから今 梢の揺らぎを大切に 樹幹から枝へ樹液を送って

高らかに天に差し出されている。